rina00

MIDNIGHT LIBRARY 作家インタビュー
002 吉岡里奈 Rina Yoshioka

吉岡里奈と出会ったのは、2015年6月、表参道のHBギャラリーで行われていた彼女の初個展「ナオミの世界」だった。表参道から外苑前辺りにはイラスト系のギャラリーが5軒ほどあって、いつも、その何処かへ訪れる際には近くのギャラリーを梯子している。それで、何処かのギャラリーで入手したDMに描かれた昭和テイストでパンチの効いたイラストにひどく惹かれて吉岡里奈の個展に訪れたのだった。そこで彼女と話しをしたら、奇しくも彼女は自分がコレクションしているレコードのジャケットをまとめた書籍「レコジャケ天国 for Girls」を持っていて、そして自分が携わっている西麻布のライヴ・ハウス「新世界」(2016年4月1日で閉店) で行なわれている湯山玲子さんのイヴェント「爆クラ!」関連のCDジャケット・イラストを描いていたこともあっり、そこから付き合いが始まったのだった。そこで、本ミッドナイト・ライブラリーの第二弾アーティストに起用した。
【取材/文:山口′Gucci′佳宏】

――いきなりだけど、出身が何処だっけ?

吉岡:神奈川県の川崎です。

――あっ、変わってないの?! 実家?

吉岡:はい、そうです。ずっと変わってないです。お恥ずかしながら実家です。実家を出たいと言う強い願望はあるんですけど…。そうするとフルで働かないとならなくなって絵を描く時間がなくなるので。

――いや~、作家は実家が一番だと思うんで、イイんじゃないのかな。皆んな、そうでしょ。よっぽど売れる様にならないと。

吉岡:絵だけで喰っていける様にならないと、と言う焦りはありますね。暮らしが子供の頃からあまり変わってないので、環境を変えたいと思いますね。

――家の中で描いてるの? アトリエとか?

吉岡:いや、全て家、自室で描いてます。アトリエは欲しいですね。自室が狭いので描く絵の大きさが限られてしまいます。A2版ぐらいが限界です。

――じゃあ、大きい絵も描きたいの?

吉岡:個展とかする時、大きな絵があると見栄えするし、凄く大きな絵を描いてみたい願望があります、映画の看板みたいなのが好きなので。

――なるほどね。となると何処かにスペースを借りたりしないとならないね。

吉岡:やっぱり、今後はアトリエは持ちたいと思ってます。

――絵を描き始めたキッカケとか経歴は?

吉岡:絵は、やっぱり物心付いた時、3歳ぐらいからずっと描いていました。でも一旦、美大の映像学科へ進学して絵を描くのではなく映像の方へ行ってしまい卒業して、絵は描かなくなってしまったんですけど、また何か描きたくなって30歳過ぎてから絵をちゃんと学ぼうと思いイラストの学校へ行くんです。やっぱり、絵は捨てられなかったなぁ、と言う感じで。

――じゃあ、30歳前、イラストの学校へ行く前は何をやっていたの?

吉岡:パティシエとかカレー屋さんとか食べ物関係の仕事で、もしこれから絵を描いて行くのなら大変な人生になるなぁ、と思って絵は一旦、捨てたんです。でも結局、戻って来てしまいました。

――でも、映像系の仕事をしようとは思わなかったの?

吉岡:いや、映像系は就職が難しくて、大学で卒業制作の映画を撮って燃え尽きてしまった、と言うか、これを仕事にするのはしんどいな、と思って。

――今でも、映像は好き?

吉岡:はい、昭和の絵を描いたりするのも、昔の映画を好きで観たり、そして昔の映画の看板絵とかが好きだからです。今の映画看板って写真じゃないですか。インド行った時に、インドでは未だ看板が絵なんですよ。

――それからイラストの学校を出て、その後は何をしていたの?

吉岡:結構、地道に描いていただけなんですが、イラストの先生にコンペに出してみろ、と言われて出したら、2013年、TIS (東京イラストレーター・ソサエティ) のコンペで入賞して、次の年には金賞を頂いたんです。それで、これはイケるかも、と思いました。

――イラストの学校って何処ですか?

吉岡:青山塾です。

――あー、皆んな行ってるよね。青山塾出身者は多いよね。

吉岡:そうですね。青山塾ってカラーがあるのですけど、私は全く異質で浮いてました。青山塾はやっぱり可愛い絵が多いですね。

――TISの公募で賞を獲ったってことは毎年やってる表参道のギャラリー5610での受賞者展に展示されたんだよね。もしかしたら観に行ったかも。でも、気が付くと終わってたりするんだよね。 (実際は行ってませんでした…。)

吉岡:そうです。展示されました。毎年、賞の発表が5月で、展示が10月ですね。

――じゃあ、その受賞きっかけでHBギャラリーで展示をしたの?

吉岡:いや、そうではないかもしれませんが、展示が終わってからHBギャラリーから誘って頂いたんです。私、自分では個展をやろうとか思わないので、人から言われて、あぁ、やるもんなんだ、と思いました。でも、HBギャラリーの展示で今、こんな付き合いが出来ているのでありがたいと思ってます。

――そうだね。そうやって自分は展示を観に行って、気に入った作家さんに声をかけているので。こっちもHBギャラリーきっかけだね。それで、絵を再び描き始めて最初はどんなものを描いてたの?

吉岡:最初はやっぱり自分の方向性が分からなくて、現代アートみたいな普通の人が観て訳分かんないね、で終ってしまう様な絵を描いてました。

――えっ、そうなんだ。結構、抽象的な感じ?!

吉岡:今っぽいのってこんなのだろう、みたいな感じで、横尾忠則さんが好きで、それをヘンに解釈したみたいな。目黒雅叙園で昭和のイヴェントみたいなのがあって、そのポスターを描いてくれ、と依頼されて、それで描いたら結構、自分の好きな世界とあってるなぁ、と思って、絵の先生に見せたらイイと言われて、こう言う方向で行こうと、そこで初めて自分の描きたいものと自分のタッチが一致しました。

――それで、こう言う昭和テイストで、しかも女性中心に描く様になったんだ。モチーフが結構、面白いし、いい意味でちょっとヘンな雰囲気にしてるのは何故?

吉岡:いや、意図的にこうしてやろう、と言うのはなくて、好きな写真とか、谷ナオミさんとか好きだな、と思って描いていたら出来てしまった、みたいな。何か頭に浮かんだ絵を出さないと、と思って感じで描いたものが、結果、こう言うものになったんです。

――この出来上がって来たZINEを見ると、モチーフの組み合わせがヘンでしょ?! それはどうして?

吉岡:自分では狙っている感覚はなくて、別に他愛もない動機で描いているんですけど。例えばトラック運転手の女の子がラーメンを食べていたらイイなって、寿司と鉄火場が浮かんで来たから描かなきゃ、みたいな発想で、あまり深く考えてないんですよね。ほぼ思い付きです。思い付きをもっと考えて練ったりしてクオリティが高かったら、コンセプチャルな絵になるのかもしれないですけど。ただ、思い付きで描いているので、絵の先生に見せると「ゲッ、何これ?!」って言われます。あまり理解されないです。

rina01
MIDNIGHT LIBRARY 002 吉岡里奈「eat it」とポストカード

――ぶっちゃけて言うと商売にしようと考えるとなると、絵も上手いし、ディティールも凝っているけど、パッと全体を見た時に、仕事をこれを描いている人に頼まなくても、となると思うんだよね。

吉岡:最近、やっとそう言うことに気が付いて、一部の凄い好事家みたいな人には熱烈に支持してもらえる作家を目指すのか、ちゃんと仕事として成立させる為に、もうちょっと分かり易いものを描くのか、と。

――それで、どうしたいの?

吉岡:たまに運良くイラストのディレクション通りに描いてギャラはもらえるのですが、自分の絵じゃないな、と感じてしまって…。

――じゃあ、吉岡里奈的には描いたものを売りたいと。

吉岡:でも、それじゃあ、ホント食べて行くのが難しいと思うので、凄い悩んでます。

――描いたものを売りたいんであれば、売るためのやり方をすればいいと思うけど。

吉岡:そうですね。描いたものを売る、その方向かなぁ。仕事をいろいろしている自分の友達は自分の作品も仕事のイラストも同じテイストなんですよね。やっぱり、その方がクライアントも仕事を頼みやすいですよね。

――そりゃ、そうだ。でも、仕事として割り切って、そう言う絵を描けるかだと思うよ。仕事の絵と趣味の絵をちゃんと描き分けている人も沢山居て、その人たちは割り切った仕事の絵を描いて生計を立てているから、趣味の絵を描けるんだよ。それが出来るか出来ないか、出来ないのであれば、絵を売ることを考えてそれなりのことをすればいいんだと思うよ。

吉岡:それなりのことって?

――グループ展に出してみるとか?! ヘンな内輪感のないグループ展で、画廊企画であれば出品するのに金もかからないし、いろいろな人が観に来るから、たとえ他の人の作品を観に来た人にも気に入ってもらえるかもしれないよ。それで、今後、作家としての在り方!? どう言う絵を描いて、どう言う風にして行きたいのかな?

吉岡:今回、ZINEの表紙に使用している焼きそばパンの絵なんですけど、まだ先生に見せてなくて、見せたら評価として何て言われるか分かりませんが、頭に浮かんだことをそのまま描いた絵で、描いている時にとても楽しくて快感があったんです。それで、人の評価とか気にせず、一回しかない人生なんで、描きたくて描いて楽しければイイかな、と思ってます。描けること自体が、今、幸せなのかもしれません。だから、そう言う方向で、売り込みとか考えずに今は描く時間を確保して描きたいものを描くのに集中したいです。その後、結果として作品が売れるとか売れないとかはあると思いますが、自分の頭の中に浮かんでしまった絵を出したい、みたいな衝動に駆られてしまっていて、描けるだけ描きたい、と言う感じなんですけど。最近は絵の先生の評価が擬音ひと言、「エッ」とか「ゲッ」みたいな感嘆詞を言わせたら勝ちだと思ってます。「何これ」とかプロの人が技術ではなくて、見た目のイムパクトで驚くのが楽しいです。

――それで今回、ZINEと絵ハガキ5種を作ってみて、どうだった?

吉岡:とても感激だし、自分が描いたものが商品となって、誰かに届けられるのが凄く嬉しい。今まで自分でもZINEを作ってはいますが、自分の独りよがりで作ってしまった感じがして、今回、他の人の手が入ってアイディアを出してくれたお蔭で、もっと広がりが出たと思います。落款のアイディアだったり、タイポにしても自分では、あまり考えられないものを指定してもらったり。

――より商品的な意味合いが出たってことだね。イイ形に一緒に作れたってことだね。

吉岡:でも、売れるかどうかが心配ですけど…。

――それは、こっちの責任だから。作家さんに自由に作って下さい、って依頼しているのはコチラな訳で、出来てきたものを巧く販売したいと思うね。

吉岡:現代アートや写真、イラストとか、いろんな作家の方が参加しているシリーズの中に入っているというのも面白くて、刺激を受けると思います。それと実際にZINEとハガキが出来て、自分の絵を客観的に観られる様になり、改めて自分の絵が好きだな!! って感じました。あと、テーマを決めて描くと言うことが今後にとって結構いいとか、勉強になったし、いろいろ発見しました。自分は物怖じする性格なですが、こうして商品になったことで、いろいろな人に見てもらえて、そのリアクションも楽しいし、世界が広がりました。もっとガンガン行きたいとやる気が出ました!!

――ZINEの方はどんな感じで、この内容にしたの?

吉岡:先ず1頁目の、以前、カレーが好きでカレー愛を表現しようして描いたカレーの絵があって、それ描いている時、とても楽しくて、食べ物と本来、自分が好きな昭和の女性像を組み合わせて描いてみたら面白いんじゃないかな、と思ったんです。それでシリーズ化して描いてみました。

――カレーの絵はいつ描いたの?

吉岡: あれは2011年ぐらいだったかな?! あれだけ、前に描いたものです。

――じゃあ、あとは新作書き下ろしなんだね。

吉岡:そうです。他にもエビフライとかナポリタンとか、描きたいものがあるんですけど、今回、あまり時間が無くて描けなかったです。

――それで、描くのに何か苦労はあったのかな? どうしようとか。

吉岡:いや、描きたいテーマ、候補が沢山あるのに自分の手が追いつかなくて描ききれなかったのが悩みです。アイディアは結構、ポンポン浮かぶんです。それをメモっておいて、実際に描いたら、そのメモを消して行くんです。

――じゃあ、今もアイディアと言うかネタが沢山あるんだけど、描くのが物理的に追いついてないって言う状況なんだ。では、今後も食べ物シリーズは続いて行くんだね。

吉岡:そうですね。

rina02
MIDNIGHT LIBRARY 002 吉岡里奈「eat it」、オマケの栞!
onnayoru
吉岡里奈 初のZINE「女たちの夜」 (2015年11月刊)

――他に描いてみたいテーマ、シリーズはあるのかな?

吉岡:架空のレコード・ジャケット・シリーズ、妄想で考えてます。それこそ、グッチさんのお色気レコジャケ・コレクションに触発されました。

――あと、絵ハガキの方は、どうしてあの5枚の絵柄を選んだの?

吉岡:あれは前に自分で作ったZINE「女たちの夜」から選んだもの。今回のZINEが食べ物、食欲がテーマだったので、対してこっちはお色気、昭和の女性、性欲みたいな感じでチョイスしました。ZINEも含めてですけど、テーマを決めて描くと言うことが今後にとって結構いいとか、勉強になったし、いろいろ発見しました。

――ところで、今、よく聞いている音楽って何かな?

吉岡:”VIDEOTAPEMUSIC”、映像と音楽を一緒にやっていて、エキゾチック・ミュージックみたいな感じで、私の好きな昭和感もあり、聴きながら絵描いてます。映像は昔の映画をコラージュ (サムプリング) して作っていて、音楽と凄く合っているんです。あとは全然違うけど、日本の若手パンク・バンド、”どついたるねん”とかが好きです。それと、昭和歌謡も聴いてます。

――アートの方は? 今、好きなアーティストは居るかな?

吉岡:ロッキン・ジェリー・ビーンさん、男目線で描かれた女性・女体、自分が描けないエロじゃないですか。あと、齋藤芽生さん。緻密な画風と絵に込められたストーリー性と文章が面白くて好きです。小西真奈さん、マシュー・バーニーも好きです。

――そう言えば、スクーターズのニュー・シングルのジャケットに絵が起用されたじゃない、それはどうです?

吉岡:既に描いていた絵を巧いこと使って頂いてジャケットになっているので、とても良かったなぁ、と思います。今回はアートディレクターの信藤三雄さんに声をかけて頂いたんですが、先方が自分の絵の意図を汲んでくれて形になるのは凄く嬉しいです。前に言った様に、いろいろ決めごとがあって描いた絵は自分の絵ではない様な気がして…。

スクーターズ「泣きたい気持ち」(2016年4月6日リリース/7インチシングル盤)

――やっぱり、吉岡里奈はイラストレーターと言うより、画家肌なんだね!!

シリアスな進路相談 (?!) みたいな話もありのインタビューになってしまったが、そんな作家の話もなかなか聞くことが出来ないので興味深かった。かなりコテコテ感のある彼女、吉岡里奈の画風、きっと好き嫌いは分かれるのかもしれないけれど、ツボにはまったら最後、結構、中毒気味になると思う。まさに自分がそうである。皆さんも是非、怖いもの見たさででも、一度、吉岡里奈ワールドに足を踏み入れてみたらイイのでは!!


商品のご購入はこちらから

ミッドナイトストアー
ミッドナイトストアーにて、吉岡里奈による作品を発売中!

・MIDNIGHT LIBRARY 002 吉岡里奈「eat it」
・吉岡里奈 絵ハガキ【5枚セット】


PROFILE
吉岡里奈 (ヨシオカリナ) イラストレーター
昭和のムードを好んで描いております。

1977 神奈川県生まれ / 川崎市在住
1999 多摩美術大学二部 (現・芸術学部) 芸術学科 映像コース 卒業

イラストレーション青山塾 ドローイング科 12期~14期修了

Official Site▷ http://rina-yoshioka.jimdo.com
tumblr▷ http://yoshiokarina.tumblr.com
Facebookページ▷ 吉岡里奈

【個展】
2015.6 初個展「ナオミの世界」HB Gallery

【グループ展】
2015.11「Here is ZINE tokyo 11」TOKYO CULTuART by BEAMS
2014.12「Graphic Art  exhibition クリエイティブ表現の現在」RECTO VERSO GALLERY
2014.10 第12回 TIS公募展受賞者展

【受賞歴】
2014 第12回 TIS公募 金賞・南伸坊/影山徹 審査員個人賞
2013 第11回 TIS公募 入選
2010 イラストレーション青山塾 2010年度修了展 優秀賞

ヒロキカレンダー いたるカレンダー

期の始まりで心機一転しませんか?
人気のウォンバット「ヒロキカレンダー」と、言霊が心に響く「いたるカレンダー」が2016年4月〜2017年3月の期間にて新発売を致しました。
両方のカレンダーとも好きな写真や言霊を楽しく選び、お好みのカレンダーを作成することが出来ます。

仕事のデスクや勉強机などに置いて、是非4月から新しい気持ちでご利用下さい。

 

J'animal ウォンバット ヒロキです
J’animal ウォンバット ヒロキです

いたるショップ
いたるショップ

hamaPhone3

MIDNIGHT LIBRARY 作家インタビュー
001 波磨茜也香 Ayaka Hama

自分が波磨茜也香と初めて会ったのは、彼女が2013年に銀座ヴァニラ画廊の公募展で大賞を受賞して、2014年に同画廊で行った初個展の時。作品の印象もさることながら、彼女のハイ・センスなファッション、ビシッと決めた自分好みのスタイリング (あのロッキンホースまで履いてるってなかなか居ないでしょ!!) が気を惹いて思わず声をかけてしまったのである。 そして、いろいろ話を聞くと、若いながらの感性でしか描けない倒錯の美意識による作品にも、ひどく魅かれたのだ。それから、何かと彼女を引っ張り廻しているのだが….、そんなこんなで、やはり、この「MIDNIGHT LIBRARY」の1発目は彼女「はまちゃん」に決めた!!
【取材/文:山口′Gucci′佳宏】

――今回、この「MIDNIGHT LIBRARY」第1弾アーティストになってZINE(ジン)やグッズを作った訳だけど、その感想はどう?

波磨:自分でもZINEとかグッズとか作ろうと思っていたら、思いがけず、そう言う話に声をかけてもらって光栄で嬉しかったです。それで、作るにしても自分はかなりアナログ人間なので、自分では細かく出来ない処をわがままを聞いてもらって指示通りに完成して感動しました、しかも、こんなに早く!!

――まぁ、言ってみれば、それがこの企画の主旨だからね。作家さんにリスクがかからず、作家さんの思い通りのものを高性能のデジタル印刷機を使って作る、ってのが。そして、気に入ったアーティストと一緒にものが作れると言う、自分にとっても楽しくてありがたい企画なんだよ。それで、実際、先ずZINEはどう言うコンセプトで作ったの?

波磨:もらったZINEのフォーマット (B6版16頁) を自由に使って、そして、この1冊で終わりではなく、今後また出してもいいと言うことだったので、それだったら、新作や今まで発表してないものを掲載しようと考えました。大学に入る前から好き勝手にイラストとか、今後、タブローになるネタ的なものを描いていて、一冊大切に使い切ったコミックス・サイズの文庫本ぐらいの厚みの自由帳があるんです。その、いわゆるネタ帳的なものの表紙には、今では描かない様なイラストや漫画の様なものを描いていて、それをヨゴレとかもそのままに今回のZINEの表紙にしたら面白いかな、と思ったんです。中身の方は、今、自分が描きたいものと、最近まで書いていたタブローへ行く前の下書き、ドローイング、まぁ、プロットですね。今後、作品に繋がっていくものを載せられたらと思いました。作家のそういうものを見るのって結構、面白いと思うんです。そして、これを見た人が、私の今後の作品にどう繋がっているのかが、分かればイイなぁ、と。真ん中の見開きの写真は、確か大学1年の時に撮ったセルフ・ポートレイトです。だから、結構、新旧のいろいろなものを載せています。

――それで、現物が出来てきて、どうでした?

波磨:いやー、嬉しかったです。今まで、描いたもの、原画を販売することしかしたことがなかったので、印刷物になって、同じ自分の作品がいっぱい増えると言う感覚が面白しろいし、ミニ・サイズになったのも新鮮な感じでした!!

hamazine
MIDNIGHT LIBRARY 001 波磨茜也香
konaiyem
波磨茜也香iPhoneケース「KO-NAI-YEN」(iPhone6/6s用と iPhone5/5s用)

――iPhoneケースは「口内炎」シリーズをプリントしたの何故?

波磨:商品的に色がヴィヴィッドなものの方がイイと思って。意外と私の描く絵って、色が地味なものが多いんですけど。これは女子にウケたいと思ったんですね。いろいろ調べたり、実験してみたりしたら、女の人は色に一番反応することが分かって、ピンクとか青とか。それを頭に入れておいて、2回目の個展の時、生活の中で口内炎と言うモチーフを見つけ、口の中もピンクだし「口内炎」を描いてみようと考えたんです。それで、iPhoneケースには「口内炎」シリーズをプリントしたらピッタリはまるかなと思いました。絵面的にも、持っていても恥ずかしくない感じだし。

――あと特大ステッカーはどう?

波磨:最初は、よくあるサイズのステッカーを作ろうと思ってたのですが、「ミッドナイトヱビス」の特大ステッカーを見たら、貼らなくても飾れるし、面白いし、このサイズにしたいと思ったんです。それで、絵柄を何にしようかと考えて、貼るのに困る絵柄にしようと。2回目の個展のフライヤーに使った、この女子高生大股開きのドローイングにしたんです。買ってくれた人の悩む顔を見たいと思いました。

――でも自分、個人的にはエロさは感じないけど。まぁ、人にもよるとは思うけどね (笑)。

波磨:そんなにモロに描いてあったりはしてないですしね。もう売れてしまって手元に原画はないのですが、このステッカーは原画とほぼ同じ大きさなので、それも面白いかなと。自分のお気に入りの絵なんで、みんなに貼ってもらおうと考えました。

hamaST_2
波磨茜也香 特大ステッカー
hamasign
「目眩くお色気レコジャケの世界」展示会場にて

――それで、「目眩くお色気レコジャケの世界」の展示会場では、買ってくれたお客さんへその場でステッカーにマーカーでイラスト的なものを描いて渡したでしょ。あれは良かったなぁ。スペシャル感があった。展示の時にはライヴ・ペインティングじゃないけど、またやったら?!

波磨:あれは面白かったです!! そうですね、アトリエでやっている様なことをそのまま展示会場でやってみたいですね。タブローを描いていく作業みたいなことをやってみたい。

――ところで、美大へ行って絵描きになろうと思ったのは何で??

波磨:元々、幼稚園の頃、物心ついた頃から絵を描くのが好きでした。小学生の頃は動物が好きだったので獣医さんになりたいと思ってたんですけど、理系が弱かったのですぐに断念しました。でも、ずっと絵を好きで描いてたので、両親に相談したら多摩美のオープン・キャンパスに連れて行ってくれたんです。そこから、美大、そしてグラフィック・デザインがいいなぁ、と思ったりもしたのですが、一旦、進路のことは置いといてライヴとか行きまくってました。それで、高二ぐらいで周りが進路のことを考え始めてて、やっぱり自分も考えないとと思い、絵の予備校へ行き始めたんですね。そこで、松井冬子さんに憧れて、自分は日本画だ、と思ったんですが、予備校の先生に、お前の日本画志望は勘違いだから、油画科へ行け、と言われたんです。実際、自分が好きな作家は全員、日本画っぽく描いているだけで油画科出身だったんですよ。それで、あっさり油画科へ進路変更、でも油絵なんてほとんど描いたことなかったんで、それから油絵を勉強し始めたんです。当時は具象や抽象、いろいろな絵を書いてブレブレだったのですが、バスキアを見て、どんな絵でも絵として完成してればいいのだ、伝えたいことが描けていればいいのだ、と理解出来て、そうすれば受かるんだと。そして、一浪して多摩美の油画科に入学するんです。入学してからも、コロコロ画風が変わって、先生に「お前は極端過ぎて何をやりたいかよく分からん」と言われたけど、自分でもよく分からなかった。3年生ぐらいになって、女学生シリーズを描いてた頃にやっと自分の方向性が見えて、今に至ってます。それで、ここまで来れたのが、今までまわりの人のひと言で自分の方向性を決めて来たと言うこと。決して自分の意思がない訳ではないのですが、人に言われたことを自分で判断して方向を決めて来ました。それが面白いと思います。ヴァニラ画廊大賞への応募も予備校の先生に言われて出したんです。親にも、このままじゃどうにもならないからコンペに出せ、と言われてはいたのですが、これで始めて応募しました。

――それで、ヴァニラ画廊大賞の大賞を受賞して、何か変わったことはあった?

波磨:いやぁー、めちゃくちゃ変わりましたよ。それまでは学生でしたから、あまり作家としての意識がなかったんですけど、画廊から作家として扱われる様になって、作家としての自覚を持つ様になりました。作家として扱われてるんだな、と実感しましたね。あと、個展とかをやらせてもらって、大学内では会えない人と沢山会える様になったので、それが今、自分のモチベーションになっていると思います。絵を描いている楽しみと言うより、作品の話をして分かってもらいたい。自分の絵を褒めてもらうのは嬉しいのけど、バカ話をしたいです。初めての方と話がしたい。

――オレもそうだなぁ。いろんな人と話はしたいよね。あとは今後、作家として、どう、金にして行くかだね。まぁ、はまちゃんの絵はマス受けするもんでもないから、そこらへんのせめぎ合いだよね。

波磨:まさにそうですね。本の装丁のコンペに出しても一次審査すら通りませんでしたから。

――やっぱり、さっきの話の様に、人とのコネクションでしょ。はまちゃんの絵を気に入って使ってくれる人と出会うことじゃないかな。でも、これからの世の中、ちょっとヘン (?!) なこと、人のどこかの琴線に触れることをやって行かないとダメだと思うよね。

波磨:今は将来的なことも考えつつ、自分がイイと思ったものを素直に出していってます。でも、それがどうなるかはわからないので?! 難しいです!!

――そう、だから、何かこの「ミッドナイトストアー」の企画をうまいこと利用してくれたらイイと思うんだよね。ところで、今、気になっているアーティスト、好きなアーティストはいる?

波磨:アーティスト?! アーティストじゃないけど、平成女学園の「るみかちゃん」(はまちゃんがインスタで追っかけている風俗嬢!?)。あそこまで写真が集まって、あの写真の見せ方、彼女はもはやアーティストですよ。

――そうかもね。ターゲットにハマるかというところは、るみかちゃんは長けているんだろうね。あと、音楽で好きなアーティストは?

波磨:ずっと聴いてるのは「The ピーズ」。曲、そしてリーダーの大木温之さんの苦労話的インタビューが絵を描く時の気持ちの持ち様を楽にしてくれたかもしれない。美大にいると隔離された環境なんで、大木さんの話はとても興味深いものでした。それと、ベーシストが好き。リズム隊が好きなんです。ライヴ行ってもベースとドラムばっかり観てる。宇多田ヒカルさんも好きですよ。最近はaikoさんとかアムロちゃんも聴いてる。そして、ティーンの子達が聴いてる洋楽を調べて、アリアナ・グランデとテイラー・スイフトあたりだろうと目星を付けて、その子達になりきってめちゃめちゃ聴いてます。それで、どーせアリアナ・グランデ聴いてるんでしょ、って決め付けて、だから友達になろうよ、って言う妄想。まぁ、でもホント、音楽は必要、なくてはならないものです!!

hama_4

――今、他に何って言うものでもなく、興味持っているものって何かな? 波磨茜也香の全生活の中で。

波磨:あー、今、ホットなのは「腋汗」です。

――腋汗?! また凄いとこ来たね!!

波磨:既にfacebookへ絵を掲載していますが、私、これから描く題材を携帯にメモっておくんですけど、かなり前から腋汗って書いてあって、描くに及ばないと思ってましたが、去年、決心しました。腋汗って冬の方がかくでしょ、静かに。夏って薄着だから、モチーフになり易いけど、冬は着込んでいる中に脇汗を誰でもかいているのがイイなぁと思ったんです。それを絵にする時、私は「湖畔」と思って、森があって、ひたすら佇んでいて、静かに広がって行くイメージをしました。

――いやー、かなり倒錯してるね!? やっぱり。腋の下でもなく、腋毛でもなく、腋汗ってところが、はまちゃん凄いね!!

と言う感じで、何のこっちゃ、最後は波磨茜也香ならではの倒錯エロ思考の話で終わった。他にもいろいろ楽しい話をこのインタビューでは聞いたのだが、かなり割愛させて頂いたし、自分としても、まだ聞きたいことが沢山あったので、ZINEや彼女の作品を見て、興味を持った方は機会があれば彼女から直接、話しを聞いてみたらよいと思う。おきゃんな彼女に直接触れてみたらイイと思う。特に女子ファンを獲得したいらしいので、女性の方は是非!!


商品のご購入はこちらから

ミッドナイトストアー
ミッドナイトストアーにて、波磨茜也香による作品を発売中!

・MIDNIGHT LIBRARY 001 波磨茜也香
・波磨茜也香「口内炎」シリーズ iPhoneケース for iPhone6/6s
・波磨茜也香「口内炎」シリーズ iPhoneケース for iPhone5/5s
・波磨茜也香 特大ステッカー


PROFILE
波磨茜也香 (ハマアヤカ) 美術家
自身の妄想から生まれた少女をモチーフに作品を制作

1991 神奈川県生まれ
2015 多摩美術大学 絵画学科油画専攻 卒業

Official Site▷ http://ayakahama.jimdo.com
blog▷ http://ayakahama.jugem.jp
Instagram▷ @ayakahama_official
facebookページ▷ 波磨茜也香

【個展】
2015.7 「今、事の重大さに気付きました」ヴァニラ画廊
2014.10 「私は非常に気分が良いです」ヴァニラ画廊
【グループ展】
2015.9 「Condensed Vanilla 2015 ヴァニラ画廊セレクション」ヴァニラ画廊
【アートフェア】
2015.12 「the art fair +plus-ultra 2015」スパイラルガーデン
【受賞歴】
2014 トーキョーワンダーウォール公募2014 入選
2013 第二回ヴァニラ画廊大賞 大賞


仮想ライブ空間SHOWROOM発!2.5次元?!9人の声優ユニット『にごどる!』公式オリジナルグッズショップをオープンしました。

にごどる!通販しょっぷっ!
にごどる!通販しょっぷっ!

初回として絵柄と背景を自由に組み合わせて作れる「にごどる!うぇぶからーマグカップ」を販売しています。
他では手に入らない用品ですので、是非お手元に置いて下さい!

にごどるまぐかっぷ

猫写真家・関由香さんの最新刊、「お早ようマコロン」と「ホイップねこのサラ」の出版を記念して写真展を開催いたします。優しい光に包まれたふわふわ猫たち、マコロンとサラをオリジナルプリントで楽しめる貴重な機会です。
展示期間中、お菓子作家・THUMB AND CAKESさんによる、マコロンとサラの写真展にちなんだ、オリジナルのお菓子を販売いたします。こちらもお楽しみに!

macasara_figue_1 macasara_figue_2


関 由香 猫写真展 マコロンとサラ
yuka seki exposition de photographie
“macaroon et sarah”

2016年2月20日(土)〜3月13日(日)
火〜金曜日 11:00-21:00
土曜日 10:30-20:30
日曜日・祝日 10:00-20:00
月曜日定休

恵比寿 Figue
http://www.figue.jp
東京都渋谷区恵比寿南1-16-4-1F
*ヘアサロンでの展示ですが、どなたもご覧いただけます。 お気軽にお越し下さいませ。


 

皆様のご来場をお待ちしております!

関由香ギャラリーショップ
関由香ギャラリーショップ

おもちえにっき画像

「ようちえんやさん じゃまるしてん」におもちの新商品が追加されたよ!
ジャーン、「おもちとえにっき」だよ。
これであなたもおもちみたいに絵日記が描けるね。
中にいるいろんなこもちと一緒に絵日記を描いておもちに見てもらおう。
きっとなにかコメントくれるはず。
毎日描いても大丈夫。3ヶ月はいけるよ。
表紙には名前が入れられるのであなただけのおもちの絵日記を作ってね!!

ふにゃぺしの日も、すみるぺしの日も、きっとたのしくなるね。
いろんな日記が紹介してもらえるといいね。

twitter @omochialien

おもちえにっき
おもちえにっき1
おもちえにっき2
おもちえにっき3

 

おもちエイリアン オフィシャル・ファンファングッズ
おもちエイリアン オフィシャル・ファンファングッズ

カミングスーンだった2ブランドがついにオープンしました!

◉自爆ボタン
緊張感が漂うマグカップ

◉100MAX
[100MAX]のマークがあるだけで、なんでもスゴく見えるiPhoneケースとマグカップが各2タイプ

100max
マグとザリガニワークス坂本氏

おっと、それだけじゃなく

先にオープンした「無気力フレンズ」のマグカップやiPhoneケース(3タイプ)も追加しました。

無気力フレンズ
マグと無気力なザリガニワークス武笠氏

まだまだ、「コレジャナイロボ」もキラキラパネルを4タイプ出ました。
コレジャナイロボがかっこ良く見えるぞ!

以上4プランドに商品追加。これからもどんどんとユル~くやるよ!!

 

ザリガニワークス ショップ
ザリガニワークス ショップ

リル・シーニュグッズショップにヴァレンタイン限定ミニフォトカードが追加になります。

2月3日(水)、20日(土) 阿佐ヶ谷SHIROBACOにて開催の歌タマプロジェクト8thイベント“ヴァレンタインイベント”でもグッズ販売いたしますのでお楽しみに。

イベント詳細はこちら
http://utatama.jp/event

ヴァレンタイン限定ミニフォトカードは2月3日〜2月29日までの期間限定販売ですので、お求め忘れなく!

リル・シーニュ グッズショップ
リル・シーニュ グッズショップ